中卒の方で資格取得を考える際に、何のために資格を取りたいのか目的を踏まえ資格を選定することから、選定にあたっては取得できる資格と取得できない資格を知ることが重要です。
この記事では、中卒の方に向けて、おすすめの資格と注意が必要な取得できない資格について解説します。資格の選択においてのポイントやキャリアアップへの影響についても探ってみましょう。中卒でも着実にキャリアを築くためのヒントをお届けします。
中卒で取れる資格には国家資格や民間資格がある
中卒でも、国家資格や民間資格を取得することで、自身のキャリアアップや就職に役立つ道が広がります。資格は、専門的な知識や技能を証明し、自己成長を後押しする有益な手段となります。
資格を取るメリット
資格は特定の業界で必要とされることが多く、希望する職種に就くためのステップとなります。求人の条件に合致するためのアドバンテージとなることで、選考に有利な状況を作ることができます。
また、就職後にも資格を保有していることで、企業によっては資格手当などが付与されることがあり、収入アップのチャンスが広がります。
資格取得と実務経験を積むのではどちらが有利?
資格取得と実務経験は、状況によって有利な側面が異なります。資格を持っていることは専門知識やスキルの証明となり、新たな職種への挑戦やステップアップに役立ちます。一方で、実務経験を積むことも重要で、実際の業務に関する知識やノウハウを身につけることができます。最適なバランスを見つけて、資格取得と実務経験の両方を活かすことが成功へのカギです。
もし迷う場合は、経済面や時間面に余裕があるかどうかを軸に考えてみるのも手です。
中卒が取得できるおすすめの資格11選
中卒の方でも取得できる資格は多岐にわたります。ここからは就職やキャリアアップに役立つおすすめの資格をご紹介していきます。
1.【国家資格】中小企業診断士
中小企業の経営サポートを行う専門家。経営アドバイスや課題解決能力を磨く資格となります。
中小企業や零細企業が多くを占めているため需要もそれなりにありますし、資格の中でも専門性が高く、仕事内容も簡単ではない分、高収入が期待できます。
2.【国家資格】宅地建物取引士
不動産の取引やアドバイスを行う資格で、不動産業界でのキャリアを築くための第一歩となります。
不動産会社勤務の場合、資格手当や昇給・昇格も期待できるほか、不動産業界以外にも需要があり、建築や金融業界では転職・就職時の条件に含まれている場合があります。
3.【国家資格】ITパスポート
ITの基本知識を持っていることを証明する資格。IT関連の仕事を目指す方に適しています。
合格率50%ほどと難易度は高くないため、オフィスワークを行いたい人のステップとして取得するのにおすすめです。あくまで基礎知識がメインのため、このあとご紹介する民間資格のMOSも一緒に取ると実務面の知識も得られます。
4.【国家資格】旅行業務取扱管理者
旅行業界での仕事に関する知識を持つ資格。ツアーや旅行プランの企画・提案が可能になります。
旅行業務取扱管理者は、取得することで転職に有利してくれたり、資格手当を得られるなどのメリットもありますが、一度取得すれば有効期限がない資格というところが他にないメリットです。
5.【国家資格】行政書士
法的手続きのアドバイスや代行を行う資格。法律に関する専門知識が求められます。
法律系の資格の中では比較的難易度が低く、取得することで独立や開業もできたり、行政書士以外だと、法務部や総務部で知識を活かすこともできます。
6.【民間資格】インテリアコーディネーター
住宅や商業施設の内装やデザインを提案する資格。創造力とセンスが活かされます。
その名の通りインテリア業界に転職・就職を希望する場合、取得しておくと強みとなります。合格率は25%前後と難易度も高く、インテリアコーディネートに必要な総合的な知識を得ることができるため、未経験の場合は特に面接時の勤務意欲を示すアピールポイントになるだけではなく、就職後も知識が活きます。
7.【民間資格】MOS(マイクロオフィススペシャリスト)
マイクロソフト社が認定するMicrosoft Officeのスキルを証明する資格。Word・Excel・PowerPointなどの実践力を証明できるため、オフィスワークで重宝されます。
スペシャリストレベル(一般)とエキスパートレベル(上級)の2種類あり、前者のスペシャリストレベル(一般)は知識ゼロから学習する方でも合格を目指せます。一方、後者のエキスパートレベル(上級)は前者に比べ難易度が高く、よりソフトを使いこなす実務知識が求められます。
8.【民間資格】日商簿記検定
会計や経理の基本スキルを持つ資格。ビジネススキル向上に役立ちます。
受験者数も多く需要の高い資格のひとつです。企業の中には日商簿記検定合格を必修としていたり、資格手当や昇進・昇格の要件にしている場合もあります。
9.【民間資格】介護職員初任者研修
介護の基本知識と技術を学ぶ資格。高齢者施設や医療機関で活躍できます。
介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修のため、介護職を検討している人はおさえておきたい資格です。基礎から学べるため、介護の知識がない人が学ぶのにもおすすめで、介護職の中には訪問介護のように本資格がないと目指せない仕事もあるため、就職時の選択肢を広げられます。
10.【民間資格】診療報酬請求事務能力認定試験
医療関連の請求業務に必要なスキルを証明する資格。医療事務職を目指す方に適しています。
医療事務関係の試験の中でも最高峰といわれるほどに難易度も高いため、資格を保有していることで資格手当や給料アップに繋がりやすく、医療事務関係の資格を目指す人の多くが合格を目指す資格になります。
11.【番外編】TOEIC
英語のスキルを測定する試験。国内企業だけでなく外資系を目指す場合にもキャリアアップに役立ちます。IIBC公式サイトによると、企業が社員に期待するTOEIC L&Rスコアは以下のようになります。
- 技術部門:平均560点
- 営業部門:平均575点
- 海外部門:平均690点
また、人気のある業界では入社時の平均が600点を超える業種もあるようです。TOEICのスコアをアピールポイントにしていくなら600点以上を目指したいところですね。
参照元:IIBC公式サイト(https://www.iibc-global.org/toeic/special/job/data.html)
資格取得の注意点
資格を取得する際にはいくつかの注意点があります。以下に挙げることを頭に入れておきましょう。
学歴が条件で取得不可な資格もある
一部の資格は学歴や専門知識を要求することがあり、中卒では取得できない場合があります。資格を取得する前に、条件を確認しましょう。
栄養士、管理栄養士 |
厚生労働大臣の指定した栄養士養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業している必要があります。 |
保育士 |
原則、高卒以上で国家試験に合格することとなっています。中卒の場合、児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上、児童の保護に従事していることが条件とされています。 |
教員免許状 |
教職課程が設置された大学(一種)、または短大(二種)で法定の科目及び単位を修得して卒業している必要があります。 |
歯科衛生士、看護師、准看護師 | 指定学校、指定養成所で必要な学科を修めている必要があります。 |
取得には時間とお金がかかる
資格取得にあたっては時間もお金もかかります。
時間面では勉強時間だけでなく、試験の時期も決まっているため受験までに時間を要します。
また金銭面では、試験料や教材購入などの費用もかかる場合があります。独学であれば最低限の費用で済むものの、時間面を踏まえ効率よく勉強する場合は資格専門のスクールに通ったほうが良い場合もあります。
両面では住んでいる地域によっては面接会場が近くになく、遠出する必要もあります。
資格取得にあたっては時間や金銭面を踏まえ、計画を立てる必要があるでしょう。
就職や給料アップを目指す手段であり確約ではない
資格の取得後がゴールではありません。資格はあくまで一つの手段であり、アピールポイントにはなりますが、就職や給料アップが確約されるわけではありません。
取得後も、就職や転職活動、就職後の努力の積み重ねがあなたの評価や結果へと繋がることを念頭に置いておきましょう。
資格を取ってキャリアアップを目指そう
資格取得は、キャリアの成長と新たな機会を拓く重要なステップです。明確な目標と計画、実務での実践を通じて資格の価値を高め、自己成長を実感できます。
しかし、資格だけでなく実績も重要。積極的にチャンスを追求し、自己PRを強化することで、資格が真のキャリアアップを支援します。目指す道に合った資格を選び、情熱をもって取り組むことで、より充実したキャリアを実現しましょう!